- なんかこの人に仕事を教えたくないな…
- 先輩や上司が仕事を教えてくれない…
会社勤めで仕事の引継ぎをする、あるいは部活で後輩を指導する、そういった場面でネガティブな気持ちになった経験ありませんか。
僕はちょうど今、その壁に直面しています。
いろいろと考えた結果ひとつの回答にたどり着いたので、同じお悩みをお持ちの方に向けて共有していきます。もちろん、教えてもらう立場の人も必見です。
- なぜ彼に仕事を教えたくないのか【違和感の正体】
- 他人の考え方は変えられないという話【神の所業です】
- 人に教えたくないときの対処法【戦略的に動け】
- 社会人5年目、3人の後輩に業務の引継ぎをおこなってきました。
- 大学時代は体育会弓道部の主将として後輩指導に注力してきました。
- 後輩に教えたくないときの悩みについて、経験談をベースに詳しく解説していきます。
なぜ彼に仕事を教えたくないのか【違和感の正体】
自分の知識やノウハウを教えることが嫌い・苦手なわけじゃなくても、なんかこの人には教えたくないという直感が働く経験は誰しもあるかと。
その違和感は放っておくと大きくなっていくので、この場で整理しておく必要がありそうです。
あなたに原因があるわけではない
教えたくない理由ってたぶんこれです。
情報を搾取されることがわかっているから
こちらは懇切丁寧に教えても、それに対する見返りがないことが原因です。.
あなたが教える相手は後輩の皮をかぶって、あなたから搾取していることに他なりません。
つまり、あなたの器が小さいとか性格が悪いとかそういう話ではなくて、お相手が情報クレクレ君(ちゃん)で、学校の授業みたいに手取り足取り教えてくれると勘違いしているだけです。
仕事を教えるにはコストがかかる
仕事を教えるにはマニュアルを作成したり、どこから教えたら理解しやすいか手順を考えたりといった通常業務とは別の作業が発生します。これには多大な労力や時間がかかりますよね。
それにあなたが長年かけて積み重ねた経験もあります。
そういった、あなたが払ったコストを後輩はタダで享受するつもりです。
例えるなら、あなたがタピオカ屋だとしてお客さんが「金は払わないけどタピオカは出せ!なんなら作り方も教えろ!」って言っているようなもの。まあ、世間一般に受け入れられる提案ではないことは確かです。
他人の考え方は変えられないという話【神の所業です】
人を動かすことはめちゃくちゃ難しいことです。ましてや人の考え方を変えさせるなんてのは神の所業、その労力は無駄になるのでやめといたほうがいいです。
じゃあ、どうすればいいか。まずは相手を知ることです。そこから対策が見えてきます。
搾取する人種をテイカー(Taker)と言います
人間関係の基本にギブ&テイクという考え方があります。もちろん人間だれしもどちらの性格もあわせ持っていて、状況に応じて使い分けています。
ただし、全員が全員ギブ:テイク=50:50にしているわけではなくて、相手に惜しみなく与えるギバー(Giver)と自分の利益を優先するテイカー(Taker)のどちらかに寄ります。
詳しくはアダム・グランド『GIVE&TAKE』に書いてありますので、興味のある方はぜひ。
ギバーとテイカーどちらが得をするのか
本題はここからで、本書ではどの性格の人がいちばん得か損かという研究を行っています。結論を言うと、下記の通り。
- 損 ギバー(自己犠牲型)
- ↕ テイカー
- 得 ギバー(他者志向型)
いちばん損をするのは、自分を犠牲にしてまでテイカーに搾取され続けるギバーです。あなたはこの立ち位置になるところでした。
逆にいちばん得をするのは、相手がテイカーと分かれば与え続けるのをやめる戦略的なギバーです。あなたは後者にならなくてはいけません。
人に教えたくないときの対処法【戦略的に動け】
あなたが教えなくてはいけない相手がテイカーです。
慈悲の心で与えてもあなたが損するだけなので、戦略を立てましょう。
正直に言うと関わらないほうが身のためですが、仕事上どうしても関わる必要があると仮定して話を進めます。
相手のギブってなに?
こちらから与えるのは知識やノウハウといった情報だというのは、想像しやすいですよね。
では相手のギブとはなんなのか。
それは、情報の受け入れ態勢です。
仕組みを作って疑似的に相手にギブをさせる
こちらが教えるのと同等かそれ以上に相手にコストを払ってもらわないと割に合わないわけです。
たとえば予習させること。割と丸投げでいいんじゃないかなと。
先にマニュアルや引継ぎ資料などを渡しておいてこの日時に私に説明してくれる?あなたの理解に合わせて補足説明するから、読んでわからなかった部分があればそのときに聞いてという約束すればOK。
そうすれば、あなたは一から教える必要はないし、前提条件を共有した状態なので相手の疑問に答えることがメインになります。もちろん、与えた課題をちゃんとやってくる人であれば…ですが。
第三者に同席してもらって強制力をつける&信頼を勝ち取る
予定の日時になっても課題を全くやってこなかった場合は、普通に叱ればOKかなと。
なぜやらなかったのかと、説明できなさそうならそのままにせず事前に知らせるのが社会人のマナーだと指導すべきですね。相手の時間を奪っているという自覚がない場合が多いので、キチンと伝えましょう。
というか、その結果が見えているなら第三者に同席してもらうのも手です。与えた課題に強制力がつくのでおすすめです。
それに、メンタリストDaiGoさんによると人は頼まれごとをすると頼んできた相手(この場合、あなた)を信頼するようになるという研究があるそうです。この心理を利用して、あなたの信頼も勝ち取りましょう。
まとめ:Win-Win-Winになる仕組みを考える
相手は情報をもらえる(Win)、自分は第三者に依頼することで信頼を得る・予定調整スキルが上がる・引継ぎが簡略化する(Win)、第三者は立場によりますが上司なら部署内の関係改善につながる(Win)ので三方良しです。
そういった仕組みを構築できると、教える立場でありながら自分の成長にもつながるのでお得です。
相手の思惑とは反対に、後輩を自分の成長の踏み台にしてしまうというのは、かなりしたたかなやり方ですがどんな場面でも応用できるかと。
もちろんこの記事を読んだ後輩諸君は、優しく教えてくれる先輩にギブができているか、胸に手を当てて考えた方がいいかもです。人間関係の基本なので、自分の考えに取り入れると業務がスムーズに回りだすと思います。
本記事は以上です。考え方の参考になれば幸いです。