みなさんはどのように稽古をしていますか。毎回先生に見てもらえるという環境で練習できているという方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は一人でできる弓道の練習方法について解説していきたいと思います
ビデオ練習とは。
ビデオカメラを設置して、射形を撮影します。引き終わったら、ビデオを確認して射形改善に役立てます。正面方向、裏的方向、背中方向、他の人に手伝ってもらって三脚を持ち上げれば真上からの撮影も可能です(!)確認したい箇所に応じて、ビデオカメラの配置を考えましょう。
また、この練習方法には4つのメリットと2つのデメリットがあります。
メリット1、一人でできること。
道場に自分一人しかいなくても取り組むことができます。むしろ、一人の方が効率が良いまであります。
メリット2、自己認識を深められること。
自分を客観的に見て射形の修正を行うことができます。的中・矢所と感覚以外の結果を確認できるので、自分の正確な状態を掴みやすいです。
メリット3、指導力の向上につながること。
射形の修正のための提案が多くできるようになります。百聞は一見にしかずの先に、百考は一行にしかずという言葉があります。自分でやってみたということは他の人に指導するときにも大きな良い影響があります。
メリット4、コストが低いこと。
用意するものは以下の通りです。
- ビデオカメラなど動画撮影できるもの
- 三脚
- 三脚とカメラをつなぐジョイント部分
デメリット1、自分の能力に結果が左右されること。
特に重要なのは分析力です。どういう射形を目指すのか、何が足りないのか把握する上で、良い射形を知る必要があります。知識が乏しいと何を直せば良いかわからず、壁にぶつかってしまうかもしれません。そこで、自身の分析力を上げるための方法を以下に挙げてみました。
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- YouTubeを活用する
例えば大学弓道ではビデオの活用が主流となっており、大会の会場では三脚の設置場所が取り合いになる程です。したがって、大会成績の良い選手はYouTubeなどにアップロードされることがあります。主要な大会のあとにはYouTubeをチェックしてみてはいかがでしょうか。
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- 試合で上手いと思った人を観察する
自分で撮影するのも一つの手です。しかし、肖像権など近年特にデリケートな部分なので射手の許可を得てからの方がいいかもしれません。個人使用であれば承諾してもらえる可能性は高くなるはずです。それが難しければ、見取り稽古が無難です。
自分で本を読むなどして知識を増やすだけではなく、先生からのアドバイスや他の人の教え合いなどから学び取る姿勢が重要です。友人に射形を見てもらうこともヒントになるかもしれません。
デメリット2.場所を取ること。
物理的制約があります。画角は高さが打起しの最高点、横が離れを出したときの指先に収まるようにしなければいけないので、大体2メートル程度間を空けて三脚を置かなければなりません。混んでいる道場では置くことはできませんね。空いている時間を見計らって練習をするか、周りに了解をとって少しだけ撮らせてもらうのが良いでしょう。その際は友人に協力してもらい、撮影をお願いするという方法もあります。
さあ、回そうPDCA!
PDCAとは?
計画して(Plan)、実行してみて(Do)、結果を確認して(Check)、改善しよう(Action)というサイクルのことです。このサイクルを多く回すことで、射形を洗練させることができるのです。ビデオ練習と非常に相性がいい考え方と言えます。
Plan 計画する
ここを直してみよう、こういう意識で引いてみようという取り組みのことです。発想力が試されます。修正の効果を見るために他の箇所を変えずに、一点のみ変えるのがコツです。
Do 実行する
その射形や意識で一本引きましょう。
Check 結果を確認する
ビデオを確認し、ここがうまくいった!ここがおかしい!という反省をします。分析力をフル活用しましょう。通常、結果とはどこに飛んだか、的中したか、感覚はどうか、の3つです。ビデオはそれらに加えて、射形はどうか、という結果を増やすことができるのです。客観的視点で自分の射形を分析しましょう。
Action 改善する
結果を踏まえて、その修正を自分の射形に取り入れるかどうかを決めます。難しくて再現性の低いものは却下しましょう。逆に簡単で再現性の高いものならば続けることが苦になりません。それが的中し続けることにつながります。
まとめ
本日の記事をまとめると以下のようになります。
- 一人での練習はビデオ練習が最適。
- ビデオ練習の質を高めるには分析力と発想力が大事。
- 分析力を上げるにはたくさん上手い人を見て学ぶこと。YouTubeや試合で上手い人が先生。
- 発想力を上げるには他人の教え合いなどから学び取る姿勢が大切。本を読んで知識を増やすのも良い。
- PDCAサイクルを回しまくる。ビデオを撮っては確認し、射形の改善につなげていく。
あとがき
いかがでしょうか。PDCAサイクルを多く回し、一個一個不安要素を潰すことで、試合でも自信を持って引けるようになるでしょう。たくさん弓を引いて自分に合った射を身につけてください。