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弓道の試合のルールを詳しく解説【的中すれば1点です】

星的
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とと
  • 弓道に興味があるけど、試合のルールが分からない。
  • 細かいルールに自信がない。
  • 次回の審判を任された。

そんなお悩みにお応えします。

弓道の基本的なルール

ルールを簡単に説明すると、以下の通りです。

弓道のルール(要点)

  • 的にあたれば1点、はずれれば0点(ダーツのような得点制は主流でない)
  • 的の大きさは直径36cm(ボーリングのピンの高さより少し小さいくらい)
  • 的までの距離は28m(バスケットボールのコートの長辺と同じくらい)
  • 総射数のうち矢が的に何本あたるかで競う
  • 基本単位は1回2本or4本で、1人1回以上行う
  • 1回の本数をすべて的中することを皆中(かいちゅう)とよび、すべてはずれることを残念とよぶ。
  • 団体戦は1チーム3人や5人が主流で、1回の総的中数により勝敗を決する(例:5人チームで1人4本ならば団体1回につき20本、うち何本あたるかを競う)
  • トーナメント方式や、リーグ戦(総当たり)方式がある。
  • 的に向かって体は左が前の半身で並び、顔を正面に向けたときの前方にいる人から順に1本ずつ引く
  • 一番後ろの人まで引き終わったら、一番前の人が引く(本数分繰り返す)
  • 3人チームの一番前の人から順に「大前」「中」「落(大落)」とよぶ。
  • 5人チームは二番を「二的」、四番を「四的」や「落前」とよぶ。
  • 「大前」と「落(大落)」にうまい(多く的中の出る)選手を配置するのが主流。
  • 個人戦には射詰め競射(外したら負けのサドンデス)遠近競射(的の中心に近いほうが勝ち)という形式もある。

弓道には個人戦と団体戦があるというのが魅力の一つです。

また、皆中すると、観客は敵味方関係なく拍手します。
もちろん妨害はできませんので、勝敗を分けるのは自分との闘いに勝てるかどうかです。

静寂のなか放たれた一射が的中する様は、感嘆が漏れるほどです。
よくあたる選手やフォームが美しい選手を探してみるのも、弓道の楽しみ方の一つです。

弓道の的中に関するルール

的前審判をするうえで一番大切なルールです。
学校でも看的小屋で〇×判定をするときにも活用できます。

近的・的中の判定(要点)

  • 矢が的枠内にとどまっていれば「あたり」、そうでなければ「はずれ」
  • 一回的を貫いても、すでにささっている矢や的に跳ね返り、最終的に的枠外に出れば「はずれ」
  • 的枠の内側から入っている矢は「あたり」、的枠の外側から入っている(的紙を貫いていない)矢は「はずれ」
  • 的枠内にとどまっている矢の一部が、的場の地面に接触していても「あたり」(規約改正)

私は学生時代、的に矢が入っていても、筈が地面についたら「はずれ」と習いました。
近年の規約改正により、「あたり」に変更されましたので、要確認です。

詳細は以下の通りです。

第25条 〔近的・的中の判定〕
「あたり」「はずれ」の判定は、矢の根が的面を射ぬき、的枠内にとどまっているか否かによる。
矢が折れた場合は、矢の根側の状態で判定する。
(1) 「あたり」は、矢が的枠内にとどまった場合とする。
ただし次の場合も的枠内にとどまったものとし「あたり」
(ア) 矢が、的枠の内側から的枠の外側に射ぬいた場合。
(イ) 矢が、的枠の合せ目または的枠にとどまった場合。
(ウ) 矢が、あたり矢に継矢となった場合。
(エ) はずれ矢に接触して、的枠内にとどまった場合。
(オ) 的が転び、矢が的枠内にとどまっている場合。
(カ) 的枠内にとどまっている矢の一部が、垜敷に接触している場合。
(2) 「はずれ」は矢が的枠内にとどまらなかった場合とする。
ただし、次の場合も的枠内にとどまらなかったとし「はずれ」とする。
(ア) 矢が、的枠の外側から的枠の内側に射ぬいた場合。
(イ) 矢が、侯串と的枠の間にとどまった場合。
(ウ) あたり矢に接触して、的枠外に出た場合。
(エ) 矢が跳ね返り、的枠外に出た場合。
(オ) 掃きあたりの場合。
(カ) 幕・防矢ネットなど障害物に接触した場合。
弓道競技規則【平成28年4月1日】

的中が無効になるとき

せっかく全力を注いで引いた矢が、無効になったらいやですよね。
気を付けなければならないのは以下の通りです。

的中の無効(要点)

  • 矢番え完了(矢を番えた後、右手を腰にとった時点)後に、筈が弦から外れた場合。
  • 打起し開始後に、射直した場合。
  • 前の選手より先に射離した場合。
  • 団体競技において、制限時間超過後に射離した場合。

制限時間のある団体戦の場合は、しっかり時間をはかって練習したいですね。
個人戦では試合前に間合いを確認し合うなどして、知らない人とも狂わずいつも通り引ける工夫をしましょう。

詳細は以下の通りです。

第40条 〔無  効〕
射場審判委員は、次の矢は無効を宣言し、「はずれ」として処理する。
(1) 矢番え完了(矢を番えた後、右手を腰にとった時点)後に、筈が弦から外れた場合。
(2) 打起し開始後に、射直した場合。
(3) 前の選手より先に射離した場合。ただし、射位において前の選手が持矢を棄権した場合は、この限りではない。
(4) 射場審判委員の指導にも関わらず、射位および立位置を著しくはずして行射した場合。
(5) 過失により他の選手の行射を妨げたと射場審判委員が判断した場合。ただし、同一団体内の場合は適用しない。
(6) 団体競技において、制限時間超過後に射離した場合。
弓道競技規則【平成28年4月1日】

制限時間がある試合

上述のとおり、参加団体数の多い試合など円滑な大会運営の為に制限時間が設けられている場合があります。
事前に競技要項を確認して、時間をはかって練習を行いたいですね。

制限時間(要点)

  • 各自4射 3人坐射 7分30秒以内
  • 各自4射 5人坐射 10分以内
  • 終了の合図と同時に射離した矢は無効。(ブザービートなし)
  • 弦切れも制限時間内で処理する
  • 個人競技を兼ねている団体競技では、制限時間を超過しても最後まで行射することができる。この場合、団体の成績は制限時間内の的中数とし、個人競技の成績は制限時間超過後の的中も加えることができる。

終了の合図がなっても、個人戦の的中には加算されるので、気を抜かずに引き切りましょう。

第16条 〔制限時間〕
1)団体競技は、行射制限時間を設定することができる。
〔標準の行射制限時間〕(一部改変)
各自 4射
3人坐射 7分30秒以内
3人立射 6分30秒以内
5人坐射 10分以内
5人立射 9分30秒以内
各自 2射
3人坐射 4分30秒以内
3人立射 4分以内
5人坐射 6分以内
5人立射 5分30秒以内

2)制限時間の計時は、進行委員の「始め」の合図により開始する。
3)制限時間30秒前に予鈴(1音)、制限時間超過時に本鈴(2音)で合図する。
(1) 本鈴と同時に射離した矢は無効とする。
(2) 制限時間超過後に射離した矢は無効、残った矢は失権とする。
4)射場審判委員から行射停止指示が出た場合は、制限時間の規定を適用しない。
5)自団体内に起因する事故(弦切れ処理など)の場合は、制限時間内で行う。
6)個人競技を兼ねている団体競技では、制限時間を超過しても最後まで行射することができる。この場合、団体の成績は制限時間内の的中数とし、個人競技の成績は制限時間超過後の的中も加えることができる。
弓道競技規則【平成28年4月1日】

弓道の道具に関するルール

弓

使用できる弓具にも規定があります。
基本的に弓具店で購入できるものは問題ないはずです。

弓具の規定(要点)

  • 使用していい弓は和弓のみ。長短の差OK(伸寸や寸詰)、目印はNG
  • 矢の長さは各自に合わせる。羽根がちぎれて間が空きすぎているとNGの可能性も。
  • 弓・矢・弦は新素材OK(FFひむかの弦も当然OK)
  • ゆがけは柔帽子や控えなしの場合、出場できない可能性がある。
  • 学生弓道でよくみられる左手の包帯は、規則上問題ない

ワシタカ類の矢羽根のなかには、使用が禁止されているものもあります。
使用可能な矢羽根かどうかは、以下の記事にまとめました。

鷲弓道の矢に使われている羽根の特徴と注意点【犬鷲ほか】

弓、矢、FFひむかの弦については個別の記事がありますので、参考にどうぞ。

おすすめのグラス・カーボン弓19選【現役弓道家が種類と選び方を丁寧に解説】 矢弓道の矢の選び方【おすすめは黒鷲です】 FFひむかの弦の性能・評判・口コミ【現役弓道家が徹底レビュー】

第20条 〔弓具の規定〕
使用する弓具は、伝統的な形状のものでかつ危険を及ぼす恐れのないものとする。(別紙20条 P-16伝統的な弓具図解概要参照)
(1)弓は、日本弓(和弓)とし、次の要件を満たすこと。
(ア) 長さは、221㎝(7尺3寸)を標準とし、若干の長短は認める。
(イ) 握りは、本弭から約3分の1の辺りにある。
(ウ) 矢摺籐の長さは、籐頭より6㎝以上とする。
(エ) 照準のための装置や、矢摺籐に作為的な目印がない。
(オ) 材質は、竹・木または新素材(グラスファイバー、カーボンなど)でもよい。
(2)矢は、次の要件を満たすこと。
(ア) 長さは、各自の矢束に従い安全な長さとする。
(イ) 篦の太さは、直径6㎜以上とする。
(ウ) 箆の材質は、竹または新素材(アルミ、グラスファイバー、カーボンなど)でもよい。
(エ) 羽根は、鳥の羽根を3枚使用し甲矢、乙矢の区別がある。
(オ) 羽丈(羽根の長さ)は、近的競技は13cm~15cm、遠的競技は9cm~15cmとする。
(カ) 羽山(羽根の高さ)は、5㎜以上とする。
(キ) 本矧、末矧および筈巻がある。
(ク) 筈は、埋込式で筈溝がある。
(ケ) 筈は、筈溝以外の機能(蛍光、発光など)を有しない。
(コ) 板付はかぶせ式とし、平題形、椎実形あるいは円錐形のいずれかである。
(サ)引込位置などを示す目印や類似のことがない。
(3)弦は、次の要件を満たすこと。
(ア) 撚って一本になっている。
(イ) 材質は、麻または新素材などでもよい。
(4)弽(ゆがけ)は、次の要件を満たすこと。
(ア) 行射では、必ず右手に弽を着用する。
(イ) 三つ弽、四つ弽あるいは諸弽のいずれかを使用する。
(ウ) 控、帽子および弦枕がある。
(エ) 材質は鹿革とする。
(5)補助具など
伝統的な押手補助具や傷部保護のための包帯、テーピングを除き、押手にはその他の物を付けてはならない。
弓道競技規則【平成28年4月1日】

弓道の的に関するルール

矢道と的場

的を設置するときは角度に気を付けましょう。
また、試合中に転がったりしないように、侯串(ごうぐし)でしっかり固定しましょう。

的の設置(要点)

  • 的の中心は、垜敷より27cmの高さ
  • 的面が後方に5度の傾斜
  • 的の中心は、立位置の間隔と同じとする

第24条 〔近的・的の設置〕
1)射場の床面と的場の垜敷とは、原則として同じ高さとする。
2)的の中心は、垜敷より27cmの高さとし、的面が後方に5度の傾斜になるように、侯串などによって設置する。
3)的を5度の傾斜面に直接設置できるようにしたウレタン・畳などの垜を使用してもよい。
4)的の中心は、立位置の間隔と同じとする。
弓道競技規則【平成28年4月1日】

あとがき

初心者の方はもちろん、経験者の方もルールを再確認できましたか?
明日からの弓道練習に活かしてください。

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