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弓道の矢の選び方【おすすめは黒鷲です】

矢
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とと
  • 矢が欲しい!
  • どの矢がおすすめ?
  • 矢の選び方を教えて。

そんな悩みにお答えします。

弓道の矢は5つのポイントで選ぼう

5

矢を選ぶポイントは以下の通りです。

矢を選ぶポイント

  • 矢の長さを決める
  • 矢のシャフトを選ぶ
  • 矢の羽根を選ぶ
  • 矢の重さを調整する
  • 矢の装飾を決める

矢の長さを決めよう!

長さ

矢の長さは自分の引く長さを基準に、安全のために長さの余裕を持たせて決定します。

弓道では矢の長さを表す用語が2つあります。

矢束とは引き尺と同じ意味

1つ目に矢束(やづか)です。

これは肩の高さに左腕をまっすぐ伸ばした時、喉元から左手中指の先までの長さです。
およそ身長の半分とも言われています。

一般的には引き尺と同義で、矢の引くべき実長を表します。

矢尺とは実際の矢の長さ

2つ目に矢尺(やじゃく)です。

実際の矢の長さを表します。
矢束に長さの余裕を持たせたものです。

大体3cm~6cmほど余裕を持たせればよいでしょう。

ただし、初心者は引き尺が安定しないので、はじめは10cmくらい余裕を持つべきです。

引き尺が安定してきたら、短く切りそろえましょう。
余裕部分が長すぎると矢飛びに悪い影響があります。

矢のシャフトを選ぼう!

竹

矢のシャフトには以下の3種類があります。

矢のシャフトの種類

  • 安価で管理の楽なジュラルミン
  • かたさ、軽さ、丈夫さを兼ね備えたカーボン
  • 高価でオーダーメイドの竹

安価で管理の楽なジュラルミン

入門用として最適なのはジュラルミン矢です。
比較的安価でありながら、均一な重さと太さを実現しています。

湿度で変形しないため、特別な管理も必要としません。
ただし、強い衝撃で曲がることがあるため注意しましょう。

太さは弓の強さに応じて決定する必要があります。
目安は以下の通りです。

弓の強さと適正なジュラルミン矢の太さ

 

  • 弓力12キロ以下 SL1912
  • 弓力12~15キロ 1913
  • 弓力14~17キロ SL2013、2014
  • 弓力16~20キロ 2015
  • 弓力20キロ以上 2117

よく使用されるのが、1913と2015です。
1913は女性用、2015は男性用と言われています。
しかし、女性でも強い弓を使える方もいますので、弓力で選ぶのが良いかと思います。

補足
ちなみに、この4ケタの数字は前2ケタで見かけの太さ、後2ケタで素材の厚みを表しています。
つまり、2015の矢は直径が20/64インチで、厚さが15/1000インチという意味です。

イーストン社の独自規格で、インチ基準ということもあり、正直ピンときませんね。
数字が大きくなればなるほど太く厚い矢だということが分かればOKです。

かたさ、軽さ、丈夫さを兼ね備えたカーボン

ジュラルミンより高価な素材、カーボン矢です。
優れた振動減衰性能により、ブレの少ない矢飛びを実現することができます。

また、丈夫な素材でありながら軽さも兼ね備えています。
こちらも特別な管理は必要ありません。
ただし、ジュラルミンと違い、強い衝撃には折れることがあります。

ジュラルミン矢と同じく、弓力に応じて矢の太さを選ぶ必要があります。
目安は以下の通りです。

弓の強さと適正なカーボン矢の太さ

 

  • 弓力13キロ前後 75-18、80-20(ミズノ)、76-20(イーストン)、75-21~22(KC)
  • 弓力17キロ前後 80-24(ミズノ)、80-23(イーストン)、80-24~26(KC)

75は女性用、80は男性用と言われています。
しかし、女性でも強い弓を使える方もいますので、弓力で選ぶのが良いかと思います。

補足
ジュラルミンと異なり、カーボン矢の4ケタの数字は、前2ケタで見かけの太さ、後2ケタで重さを表しています。
つまり、80-24の矢は直径が80mmで、厚さが24gという意味です。

mm(ミリメートル)やg(グラム)など日本人にもわかりやすい規格ですね。
数字が大きくなればなるほど太く重い矢ということを表しています。

高価でオーダーメイドの竹

竹矢はほとんどがオーダーメイドです。
太さや長さ、重さなどを自由に変えられるというメリットがあります。

ただし、湿度に弱く管理が難しいです。
一本一本職人による手作りなので、非常に高価となります。

矢の羽根を選ぼう!

鷲

弓道で使われる矢には、実際に鳥類の羽根が使用されています。
よく使われているのは以下の通りです。

矢の羽根に使われている鳥類

 

  • 七面鳥(ターキー) 安価で初心者向け。
  • 水鳥(グース) 安価で初心者向け、遠的矢や礼射に使用されることも。
  • 猛禽類(ワシタカ類) 高価で丈夫、最も好まれる。

七面鳥(ターキー)

初心者は七面鳥の羽根の矢を選ぶとよいでしょう。
七面鳥は、養殖のため供給が安定しており安価です。

色を付けることが容易で、カラフルな柄があります。
ただし、羽根はもろく、すり減りやすいです。

水鳥(グース)

七面鳥に並んで初心者に愛用されているのは水鳥の羽根です。
安価で、七面鳥より耐水性に優れているという特徴があります。

羽根が柔らかく、弱い弓向きです。
ただし、耐久性はあまり高くありません。

花白鳥と呼ばれる羽根は、水鳥(グース)の分類となります。
名には白鳥と入っていますが、ハクガン(白雁)という種類の鳥の羽根が使用されています。
初心者の女性におすすめです。

白鳥の羽根もあります。
白くて美しいので、竹矢に付けて礼射用にすることもあります。
遠的用に使用されることもあります。

猛禽類(ワシタカ類)

生態系の頂点とも名高い猛禽類の羽根です。
イーグルスやホークスのようにチーム名に使われることも多く、強さの象徴としても扱われます。

弓道の矢に使用されるとき、丈夫ですり減りにくいという特徴があります。
柄が美しく、弓道愛好家では最も好まれます。

近年はワシントン条約による動物保護の観点から使用や譲渡が制限されているものもあります。
参考:矢羽の使用に関する準則ならびに関連資料 全日本弓道連盟

一般的に弓具店の店頭に並んでいるものは問題ないでしょう。
自由に取引が可能で、使用制限のない主要な羽根を以下に挙げてみました。

ワシタカ類の羽根

 

  • 黒鷲(くろわし) クロハゲワシの羽根。丈夫でかっこいい。比較的安価で人気。
  • 磯鷲(いそわし) ソウゲンワシの羽根。
  • 蜂熊(はちくま) ハチクマタカの羽根。
  • 白鷹(はくたか) オオノスリ、コノスリの羽根。
  • 中黒(なかぐろ) オオサイチョウの羽根。
  • 中白(なかじろ) キガシラウミワシ、カクタカの羽根。
  • 灰鷲(はいわし) ヒゲワシの羽根。

弓道の矢羽の名前は、柄や色味などで表現されており、実際の鳥の名前とは一致しません。

黒鷲の羽根は入手しやすいためか、染め抜き(色を抜く)加工をされたものも販売されています。
それにより、今では入手困難な羽根に似た柄や模様を表現することができます。

ワシタカ類の羽根については関連記事「弓道の矢に使われている羽根の特徴と注意点」にて詳しく解説しています。

鷲弓道の矢に使われている羽根の特徴と注意点【犬鷲ほか】

矢の重さを調整しよう!

はかり

矢は重心を少し矢じり側にするとよいと言われています。
したがって、矢じり側に重り(インサート)を入れたり、重い矢じりにしたりして調整しましょう。
矢じりの取り外しは自己責任という場合があるので、インサートを入れる場合は購入時に確認しましょう。

矢の装飾を決めよう!

他の人の矢と間違えられないように、ちょっとした装飾をいれることもできます。

矢羽の上下に好きな色の矧糸(はぎいと)を付けることができます。
自分の好みの色を選びましょう。

また、シャフトの矢羽がついている箇所に文字を入れる方もいます。
羽中文字(はなかもじ)といい、アクセント的に入れてもかっこいいです。
弓道の最高目標である、真・善・美など漢字一文字がおすすめです。

あなたにおすすめの矢5選

それでは、おすすめの矢の組み合わせを紹介したいと思います。
置かれている環境に応じて、自分に合う矢を選んでくださいね。

男性初心者のおすすめの矢はジュラ矢+ターキー

素材:ジュラルミン矢 2015
羽根:七面鳥(ターキー)
予算:15,000円くらい

王道のジュラルミン矢+七面鳥(ターキー)です。

取懸けや離れが安定していないと矢が擦れたり、地面にこすったりします。
気兼ねなく練習を重ねるためにも、安い矢でバンバン引きましょう。
安価とはいっても、矢がまっすぐ飛ぶための品質は十分にあります。

女性初心者のおすすめの矢はジュラ矢+花白鳥

素材:ジュラルミン矢 1913
羽根:花白鳥(グース)
予算:15,000円くらい

女性もジュラルミン矢からはじめるのが無難です。

花白鳥というネーミングのかわいさと、白く柔らかい羽根が女性的でおすすめです。
矧糸(はぎいと)にもかわいらしい色のものが多いです。
もちろん、ターキーの矢もおすすめできます。

矢数をバリバリかけたい学生さんはジュラ矢+黒鷲

素材:ジュラルミン矢 2015
羽根:黒鷲(くろわし) 手羽
予算:23,000円くらい

一年以上弓を引き続けていると七面鳥(ターキー)の羽根はボロボロになってしまいます。

そこで買い換えるなら、次は黒鷲(くろわし)がおすすめです。
ワシタカ類の中では黒鷲の手羽は比較的安価で、非常に丈夫なのでコスパが良いです。

ワンランク上を目指す弓道家はカーボン矢+黒鷲

素材:カーボン矢 80-24
羽根:黒鷲(くろわし) 尾羽
予算:40,000円くらい

予算に余裕があればぜひおすすめしたいのが、カーボン矢+黒鷲尾羽です。
矢所の収斂率が高いとされるカーボン素材に、耐久性の高い尾羽を使った組み合わせです。

染め抜き加工で見た目も美しいです。
高級な尾羽ならではの仕上がりですね。

弓の力が弱い方は太さが75や76の矢を使うとよいでしょう。

高段位審査を意識するならバンブーカーボン+黒鷲

素材:カーボン矢 80-24
羽根:黒鷲(くろわし) 尾羽
予算:50,000円~

高段位を目指すなら、竹の質感に似せたバンブーカーボンがおすすめです。
カーボン入り竹弓と組み合わせると、見た目には竹弓竹矢使いの風格が漂います。
バンブーカーボンはミズノ、ウッドカーボンはイーストンの製作です。

あとがき

弓道の上達には矢が欠かせません。
自分の気に入った矢なら、練習のモチベーションになりますよね。
長く使えるものなので妥協せず選びましょう。