- 東京オリンピック楽しみ!
- そういえば弓道ってあるの?
- アーチェリーや柔道はオリンピック競技ですよね?
そんな疑問にお答えします。
弓道はオリンピック競技ではない!
結論から言います。
弓道はオリンピック競技ではありません!
もし実現するとしても、何十年も後のことになるでしょう。
大きな障害となっているのは、世界各国で弓道が普及していないことです。
それでは、オリンピック競技に選定されるための条件を確認してみましょう。
オリンピック競技大会のプログラムはIOCが作成する。これにはオリンピック競技のみを含めるものとする。
1- オリンピック競技大会のプログラムに含まれるオリンピック競技
1.1 オリンピック競技大会のプログラムに含められるためには、オリンピック競技は下記の基準に合致していなければならない:
1.1.1 オリンピアード競技大会のプログラムに含めることができるのは、男性によっては、少なくとも75か国、4大陸で、女性によっては、少なくとも40か国3大陸で広くおこなわれている競技のみとする。
男子は4大陸75か国で広く行われていることが最低条件です。
それでは、弓道はどのくらい世界各国に普及しているのか確認してみましょう。
2019年8月時点での国際弓道連盟の加盟国は以下の通りです。(参照:国際弓道連盟)
アメリカ合衆国、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イギリス、香港、アイスランド、イタリア、日本、リトアニア、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、南アフリカ共和国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾
(全23ヶ国)
75ヶ国には遠く及びませんね…
また、非加盟国ですが弓道をしている国もあります。
アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、コロンビア、クロアチア、チェコ、ハンガリー、ラトビア、マレーシア、パナマ、フィリピン、パラグアイ、シンガポール、スリランカ、タイ、ウクライナ、ウルグアイ、ベトナム(全19ヶ国)
以上の通り、加盟国と合わせて42ヶ国です!
このように、弓道がオリンピック競技にならないのはあまり普及していないことが直接的な理由です。
また、プログラムに加えられるのは何十年も後になるだろうと言えるのは、以下の規定があるからです。
1.1.3 競技がオリンピック競技大会のプログラムに加えられる承認は、当該オリンピック競技大会の少なくとも7年前までとし、以後この変更は認めないものとする。
競技に含めるかどうかは、開催の7年前に決まります。
広く普及したから来年のオリンピックに混ぜて!ということはできないのです。
採用されるまでの時間に加えて、採用されたとしても開催まで7年も時間がかかってしまいます。
本来ならば、2013年までに決定しなければならないところ、追加が発表されたのは2016年だったのです。
要はIOCが首を縦に振るかどうかが一番大事ということでしょうか。
何はともあれ、本気でオリンピック競技にするなら、もっと多くの国へ普及に努める必要があるということは変わらない事実のようです。
もし弓道がオリンピック競技になったら?
きっと、武道の側面よりもスポーツの側面が強調されるようになるでしょう。
勝敗は的中で決定されるので、的中偏重となることは避けられません。
現在も、的中のみを追い求める弓道は学生弓道と揶揄されてしまいます。
差をつけるために色的を用いたポイント制になるかもしれません。
そうなれば、中心からの距離が重要になるのでアーチェリーと変わりありません。
勝者のガッツポーズが射場内で行われることも想像できます。
柔道が格闘技としての色を強めたように、弓道も方針転換を求められる可能性が多分にあるのです。
もちろん、水泳競技の中に競泳とシンクロナイズドスイミングという種別の違いがあるように、弓道も種別で競い方を変えることができるのではないかとも予想できます。
例えば、有段者は的中制で競い、称号者は採点制で競う、というようにです。
やり方次第で、弓道は武道もスポーツも両立し続けられるはずです。
伝統を受け継いできた弓道を、生かすも殺すもこれからの我々にかかっています。
あとがき
まとめると、以下のようになります。
- 弓道はオリンピック競技ではない!
- 弓道をオリンピック競技にするには、世界各国への普及が必須。
- オリンピック開催の7年前までに訴求しなければ、競技が追加されることは難しい。
- もし、弓道がオリンピック競技になったら的中偏重になるかもしれない。
- 武道の側面を殺さないように普及することが理想的である。
いつか弓道がオリンピック競技になる日を夢見て、精進を続けていきたいものです。
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