- 弓道の射法八節を復習したい。
- 足踏みのポイントを簡潔に知りたい。
- 胴がねじれやすい。
- 肩がよく抜ける。
弓を引くのに下半身を味方につけるのってすごく大事なことだと思うんです。
的に向かうとき、意識としては上半身のほうが全然強いですよね。でもご存じの通り射法八節の一節目って足踏み、つまり足の動き・足の配置なんですよ。
回れ右とかで体の向きを変えるときも足から動かしますし、 弱い力で大きな結果を得られるという意味で人間の構造上いちばんコスパがいいのかなと。先人たちの研究の成果ですよね。
だから、胴がねじれやすいとか、肩が抜けるといった射癖で悩んでいる方は、いったん足踏みを確認してみると変化があるかもです。
ここでつまづくと以降の動作にも悪影響があるので、毎回一定にとれるよう練習しましょう。
【結論】足踏みは3つのポイントを押さえよう
足踏みのポイントは3つあります。
- 足踏みの幅は自分の矢束くらいにとる
- 足の角度はおよそ60度にする
- 足のつま先を結んだ線の延長に的の中心をおく
詳しく解説していきます。
足踏みの幅は自分の矢束くらいにとる
矢束=矢尺で、会の状態で自分が引くべき矢の長さのことです。
矢の長さはふつう矢束+安全上の余裕(5-7センチ)に測って作っています。
わからなくなったら床に置いて基準にしてみましょう。
幅が広すぎると上に外しやすくなる
やってみるとわかると思うんですけど、胴が左右に強くなる代わりに前後に弱くなります。
縦線も意識しづらいので、的の上に飛びやすいです。
幅が狭すぎるとしたに外しやすくなる
反対に胴は左右に弱くなります。懸かり胴や退き胴になりやすいです。
矢は的の下に集まりやすいです。
以前は女性は狭くとるという指導もされていたようです。
足の角度は約60度にする
両足先を外八文字に踏み開きます。
延長線上で交わる角度がおよそ60度が望ましいと言われています。
しかし個人差もあるので、指導者と相談しながら60-80度くらいに決めるのが良いでしょう。
角度が大きすぎると安定を欠く
胴が左右に強くなりますが、前後に弱くなります。
でも正直、角度をつけた方が横方向に力をかけやすいんですよね。
実際にやってみてほしいんですけど、ボールを投げるときの足の向きって投げたい方向に向いてませんか?
やっぱ力をかけたい方向に足先を向けるのがセオリーなんですね。
ただ弓道って力の強さを競うわけじゃないんで、安定を保ちつつ体を開けるバランスの取れた角度、つまり60度くらいで引くのがベターかなと思います。
角度が小さすぎる or 左右の足の角度が違うと胴のねじれにつながる
まっすぐ立つとき足の角度って90度ですよね。でも体を開く動作をスムーズに行うには角度をつけないとバランスがとりづらいです。
引いていくうちに三重十文字がずれやすくなりますから、特に両肩を結んだ線や腰の線がねじれやすいです。
胸を張るようになったりと悪癖につながるので早期に見直しが必要です。
両足のつま先を結んだ線の延長に的の中心をおく
1回で適正な位置に足を置けるように練習する必要があります。
足の開き方は下記の2種類です。
矢の持ち方、取り矢にも違いが出るので、指導者の方針に従うようにしましょう。
足の開き方:礼射系
一足で踏み開くと言われます。
左足を的方向に踏み出したのち、右足を一旦左足にひきつけ、弧を描くように右足を開きます。
的から目を離さないようにしましょう。
そのほか下記のことに注意しましょう。
- 矢は射付節(※)のあたりを持つ。
- 乙矢を打ち込むとき矢は一度に送り、薬指と小指の間に挟むようにする。
足の開き方:武射系
二足で踏み開くと言われます。
左足を的方向に踏み出したのち、目線を足元に落とし、右足を半歩開きます。
目線は、的→矢→左手→弓と経由してから足元に移すようにしましょう。
そのほか下記のことに気を付けましょう
- 矢は板付(矢尻)を隠すようにもつ。
- 乙矢を打ち込むとき矢は二度で送り、中指と薬指の間に挟むようにする。
指導者の方針にしたがうようにして、礼射系と武射系を個人の感覚で勝手に変えないようにしましょう。
【まとめ】足踏みで射癖が改善されることもある
足踏みは次に行う胴造りの基礎となるように、下半身を安定させるのが目的です。
射法の土台となっている以上、その後の動作にも大きく影響があります。
いったん立ち止まって、見直してみるのが上達の近道かもですね。