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弓道の「会」で気を付けるべき5つのこと【五段学科審査対応】

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とと
  • 弓道の「会」について詳しく教えて。
  • 五段審査を受ける予定です。

そんな要望にお応えします。

射法八節の「会」で気を付けるべきこと

会において重要なことは、「詰合い」「伸合い」です。
どちらが優先ということはありませんが、「詰合い」が先にあって「伸合い」が生きる、そんなイメージです。

用語の確認
  • 詰合い … 伸合いのために要所の十文字を構成すること
  • 伸合い … 間断なく天地左右に伸張すること

1、三重十文字を守る

「会」において三重十文字を保ちながら、五重十文字を正しく構成することを「詰合い」といいます。

三重十文字とは
両足底―腰―両肩が、上方から見たとき正しく一枚に重なった状態をいいます。
下半身を安定させるとともに、脊柱(せきちゅう)、項(うなじ)を上方に伸ばします。
縦線を構成する基本条件とされています。
実現するには、ひざ裏を伸ばすことが重要です。

体の中心に地面から頭頂までの一本の軸をイメージします。
一射引き終わるまで、前後左右に傾いてはいけません。

また、三重十文字は胴造りの段階から意識できることでもあります。
会までに崩さないように気を付けたいですね。

2、手先で張り合うわけではない

三重十文字を保持し、縦線を構成できたら次は横線です。

横線は、胸の中筋を軸に左右均等に張り合うことが重要です。
手先や手首で合わせるわけではないので、注意しましょう。

左手の角見(つのみ:親指の根本)と右肘を張り合うように意識します。
離れも胸の中筋から左右に分かれるようにします。

3、五重十文字を完成させる

弓道では、縦横十文字の規矩を最も重要視しています。
なかでも、つぎの5か所が総合的に働くことを射の基本としています。

五重十文字
  • 弓と矢
  • 弓と左手の手の内
  • 弽(ゆがけ)の親指と弦
  • 胸の中筋と両肩を結ぶ線
  • 首筋と矢

胴造りや弓構えなど、射法の序盤で土台を作りましょう。
徐々に整っていき、会で完成されるのが理想です。

4、天地左右に伸び合う

各所の「詰合い」が完成したら、「伸合い」を続けましょう。

三重十文字の説明にもあった通り、下半身を安定させつつ、脊柱(せきちゅう)、項(うなじ)を上方に伸ばします。
「詰合い」をくずさず、左右にも伸張し続けましょう。

丹田(たんでん)に力を込め、気力の充実を促しましょう。

5、引き続ければいいというわけではない

伸び合う際に、手先でぐいぐい引っ張るのは間違いです。
「伸合い」を詠んだ教歌を紹介します。

「引く矢束引かぬ矢束にただ矢束、放つ放れに放さるるかな」

それぞれ射法八節「会」から「離れ」に移行する状態を説明したものです。

用語の解説
  • 引く矢束 … 手先の技だけで押し引きして放つ状態
  • 引かぬ矢束 … 心の安定、気力の充実によって機熟し、自満の末に発する状態
  • ただ矢束 … 矢束を引き込むが、ただ保持しているだけの状態

以上のうち「引かぬ矢束」を修練しなければならないという教えを詠んだものです。
会のトラブル(早気やもたれ)にならないためにも、意識していきたいですね。

そのほかの学科試験問題や実技審査について

本記事では「会」について解説しました。
その他の学科試験問題や実技審査については以下の記事を参考にしてください。

【弓道五段】学科試験に合格する方法。解答・解説つき【2019年度版】

参考:弓道教本第一巻 射法・射技の基本(P.99~103)、射法 第六 会(P.115~120)

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